コラム

住宅ローン金利に動きが!|今週の「まるわかり」住宅ニュース

景気が良くなるに連れて、金利が上昇しますが、いよいよ住宅ローンにもその兆しが現れてきたようです。
このままいけば、ドンドン金利が高くなって、イザ住宅購入という時には、とんでもない金利になっているのでは⁉と、思わず考えてしまいます。
例えばメガバンクでは3ヶ月連続で住宅ローン金利が上昇しています。
メガバンクは7月の住宅ローン金利を小幅ながら引き上げた。三菱東京UFJ銀行の場合、住宅ローンの主力商品である10年固定型を、6月の1.6%から1.7%へと0.1%引き上げている。みずほ銀行は、1.60%から1.65%へと0.05%の引き上げにとどめた。いずれも3か月連続の引き上げ。なお、変動金利型は1.275%と据え置いている。(参照元:アットダイム)
ところが、これらをよく見ると固定金利の商品であることが分かります。「10年間は同じ金利で貸しつけますよ。10年経ったら金利の見直しをさせてくださいね。」というものです。このように、固定金利の商品のみが変動しているのは、銀行と借り手、銀行と銀行といった関係での駆け引きがあります。
世の中は今、消費税の増税、物価上昇、景気回復による金利上昇が近い未来に起こると感じています。
その様な不安を強く抱いている方は住宅ローンの固定金利を選ばれるケースが多いと思います。いわゆる堅実な方ですね。多少高くても、予期しない出来事のリスクを考えると安いもんだ。などと考えるの場合です。
銀行は金利を上げたい。でも変動金利も固定金利も一緒に上げるには足並みをそろえる必要がある。まずは固定金利を上げて様子を見よう。今はそのような時期ではないでしょうか。とくに不景気で長期的に低金利状態が続いたため、割高な固定金利を選択される方は少なかったのではないでしょうか。
いわば、変動金利が上がってくる時期こそ本当に金利上昇の時代が到来したと言ってもよいかもしれません。
そして注目すべきは、メガバンクと相対する銀行。「ネットバンク」です。
一昔前の銀行業界の構造と比べると、随分変わりました。今までは、大きな銀行の動向がもっとも大きな指標であったのに対し、新規参入したネットバンクが新たな手を打ってきています。
ネット銀行は、メガバンクとは異なる動きを見せている。10年固定型の金利を7月は引き下げているのである。例えば、ソニー銀行は、6月の1.692%から7月は1.64%へ0.052%引き下げた。住信SBI銀行は、6月1.53%から7月1.43%と、0.1%の引き下げを行なっている。いずれも小幅ではあるが、メガバンクとは0.1〜0.2%の差が付くことになるため、無視できない。(参照元:アットダイム)
景気好転による金利上昇といった時代に敢えて、金利を落とし集客する。
後発ならではの戦法で、メガバンクから住宅ローンユーザーの獲得を狙っています。
このように、銀行業界の構造が変わったことによって、「景気がよくなった=住宅ローン金利が上がる」と単純に言えない時代となりました。もちろん、物価上昇も懸念され、消費税の増税も決まった今、住宅購入を検討中の方は、なるべく急ぎたい所ではありますが、住宅ともなれば、やはり人生で大きな買い物に違いありません。焦る気持ちをぐっと抑えて、本当に良いと思える住宅を手に入れて頂ければと思います。(文:土居靖典)